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田町駅が最寄りの『芝浦ゲートウェイクリニック』は、免疫力をみる血液検査、がん等の難治性の病気に対し、同種白血球輸注療法を行っているクリニックです。

秋に想うこと アポトーシス

都内の銀杏並木もかなり色づき、秋も深まって来ました。

浜離宮の側の道を歩いていると、ハラハラと枯葉が落ちて来ます。この時季落ち葉を見るたび、私の脳裏に浮かぶワードがあります。それは、アポトーシスです。

アポトーシスというのは、プログラムされた細胞死のことです。多細胞生物(複数の細胞で体が構成されていて、ほとんどの動植物がそうである)が、個体をより良い状態に保つために積極的に引き起こされる管理、調整された細胞の自殺です。

例えばオタマジャクシが蛙になる時に長い尻尾は無くなります。私たち人間も胎内にいる初期の頃、手の指の間に水かきのような膜があります。しかし、成長と共にそれは無くなります。オタマジャクシの尻尾の細胞も、私たちの水かきの細胞も、アポトーシスで無くなっていくのだそうです。

先の例は特別だとして、細胞代謝という日々私たちの体内で行われている生命活動(古い細胞が死んで新しい細胞と入れ代わる)の細胞死もアポトーシスなのです。

 

これに対して計画的でない細胞死をネクローシスといい、外傷や病変から成る壊死の事を指すそうです。簡単に言えば、怪我や病気で細胞が殺されちゃうことですね。

私たちの生命活動自体が全てプログラムされている事に、今更ながら驚かされます。

 

ところでアポトーシス(apoptosis)という語源はギリシャ語で、枯葉などが木から落ちるという意味だそうです。この言葉を知った時から、落ち葉を見る度「木の葉がアポトーシスしたんだ…」と樹々の生命活動、命に触れた気になるのです。

まんまで単純ですけどね。

がん細胞は死ぬことを忘れて、宿主を殺してやっと死ねる、見方によっては気の毒な細胞なのかもしれません。

秋日和に、命や生命活動について思いを馳せてみました。