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田町駅が最寄りの『芝浦ゲートウェイクリニック』は、免疫力をみる血液検査、がん等の難治性の病気に対し、同種白血球輸注療法を行っているクリニックです。

βグルカンについて

前回までに話題にしていたβグルカンですが、真菌類(カビ、キノコ、酵母たち)や一部の細菌、オート麦、大麦などの穀類の細胞壁を構成する天然成分です。
カビのβグルカンは、私たちの免疫には欠かせない刺激になっているというお話しをしました。今回は、今分かっているβグルカンの効能について(特に免疫に関わるものから)触れて行きたいと思います。

キノコのβグルカンで、抗がん物質として有名なのは、椎茸由来の物です。レンチナンという抗がん剤にもなっています。スエヒロタケ由来のシゾフィランも抗がん剤です。霊芝、アガリクス、タモギタケ、舞茸なども、抗がんや免疫増強の目的のサプリメントとして多く目にします。

海藻のβグルカンは、特にコンブ属に多く含まれるラミナランです。海藻類に多く含まれるフコイダン(ネバネバの多糖類)と共に癌やアレルギーに良いという声も多く、解明が待たれます。

酵母のβグルカンは、アレルギー性鼻炎の原因となるサイトカインIL-4およびIL-5を減少させ、IL-12(NK細胞刺激因子)レベルを上昇させたという報告もあるそうで、何由来の酵母がアレルギー性鼻炎に良いのか、早く知りたいと思います。

穀物のβグルカンで、特に身体に良さそうと話題になっているのは、オート麦と大麦でしょうか。これらのβグルカンは、高コレステロール血症の患者を対象に血糖値調整効果について研究されています。昨今オートミールが健康に良いと、やたらSNSや情報番組で騒がれている所以でしょうか?大麦はかなり以前からSOD効果(強い抗酸化作用)があるといわれ、大麦若葉の青汁を愛飲している人も多いようです。

このように、私たちは数々のβグルカンの恩恵を受けていますが、一部のカビや食物によるβグルカンがアレルギーの原因を引き起こしているともいわれ、まだまだ研究が必要という段階でもあります。分子生物学を始めとする分野で、もっと研究が進んで、βグルカンと免疫の関係が明らかになっていくのを楽しみにしています。