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田町駅が最寄りの『芝浦ゲートウェイクリニック』は、免疫力をみる血液検査、がん等の難治性の病気に対し、同種白血球輸注療法を行っているクリニックです。

粋(すい)を極める 粋(いき)に暮らす

【粋】という漢字は、音読みでスイ訓読みでいきと読み、漢和辞典で引いてみると

①混じりけがない ②質がよい ③すぐれている ④いき ⑤あかぬけている

⑥物分かりのよい などの意味が出てきます。

究極の意味は同じですが、すいといきではちょっとニュアンスが違うようです。

 

いきというのは、「意気」から来ていて、主に江戸で使われていたようです。きっぷが良い、容姿、身なりなどがサッパリとして、洗練されていて、洒落た色気があると、辞書にあるようです。洒脱で削ぎ落としたカッコ良さみたいな感じでしょうか。深川の辰巳芸者が代表例としてあげられます。

 

すいは主に上方で使われていて、繰り返し練り込み突き詰めて極めて行くもの。絢爛豪華な振袖や装飾品など手間ひまかけて、突き詰めた末に結晶される文化様式です。

例えば、江戸時代における恋愛で言えば、純粋に愛を突き詰めた先にあるのは心中という様式美になるわけで、左写真は浄瑠璃の「曽根崎心中」を代表とした近松門左衛門が大人気だった所以です。

江戸のいきな恋愛というのは、突き詰めない。異性間での緊張を、常に緊張としておくために、突き放さず突き詰めず、その距離を常に接近することによって生まれるのをよしとしたようです。恋愛を恋愛として楽しんでいたのでしょうか。

 

江戸のいきは吐く息に通じ、不要なものは溜め込まず、サッパリ・スッキリとこそぎ落とすのだそうです。引き算の美です。しかし、見えないところにお金をかけるのが江戸っ子の美学。

それに対して、上方のすいは吸う息に通じ、何でも取り入れ、蓄積していく足し算の美です。何でも取り入れた上で、着こなしも身のこなしも優雅にはんなりとやるのが二枚目という事です。

 

何事も粋(すい)を極めて行きたいし、粋(いき)に暮らして行きたい欲張りな私です。

改めて日本の文化の深さ、面白さに触れ、また東と西の文化の歴史や成り立ちにも思いを馳せる晩秋でした。